KO.DO.NAが語るテクノデリック「YMOの頃。そして『あの世の音』」…イベントに寄せて
飛び出せ☆シンセ仲間!第2回
YMOの「BGM」と「テクノデリック」を語る、とmicroKORG
音楽仲間のKO.DO.NAさんから、
「BGM」と「テクノデリック」強いて言えばどっち?に関してコメントを頂きました。
KO.DO.NAが語るテクノデリック「YMOの頃。そして『あの世の音』」…
個人的に多分、絶対的な影響を受けているのはテクノデリックです。
しかし、高校生の頃に衝撃だったのはBGMでしょうか。
「なんて不気味なアルバムなんだ!」
と。後にインダストリアルとかノイズを聞く切欠になったアルバムでした。テクノデリックはポップスと言う位置付けです。
私は1977年産まれなので当然、リアルタイムでYMOは聴いていないです。
しかし、九州の田舎町にとってYMOは・・・周囲が歌謡曲を聴いている中でYMOを聴く、と言うのは可也、異質でした。
最初は『パブリック・プレッシャー』。あのライブ感、ある種のパンク的な衝動に心が掻き毟られるような刺激がありました。
まだ中学生。
受験の合間に取り付かれたように聞いていました。
『BGM』を聴いたのは本に紹介されていたから。
中古レコード屋で見つけてジャケットに驚く。思えば私のポップアート初体験でした。ロックのジャケットとは明らかに違う言葉にし難い印象。
「どんな音が入っているんだろう?」
と帰路を急ぐ。
ターンテーブルに置いてみると、まるで幽霊のような音がする。
「あの世の音」
と言うか。私が知っているYMOじゃない。だけども、私が知っているYMOでもある。
怖いのだけども、怖いものに惹かれるように矢張りとりつかれた様に聴いていました。
『テクノデリック』は市内の図書館の視聴覚室で借りて聴きました。
1曲目の『ジャム』から思わず「なんね?これは・・・」と呟きました。
ドラムの音が全く違う。何か鉄板を叩いているような音。
メロディーも高校1年生には複雑怪奇。
サンプラーと言う機械がどう言うモノか?
シンセサイザーがどう言うモノか?
田舎町には想像も付かない世界。
『BGM』は売ってしまい、『テクノデリック』も売ってしまい。
だけども、気が付いたら2枚を時折、買ったり、レンタルしたり、買ったり、売ったり。
この2枚ほど自宅と中古レコード屋を往復したLPはないです。
『BGM』を通過した耳に、後にノイズやインダストリアルは、その延長にあり、聴くときはちょっと心構えが必要な感じ。
『テクノデリック』は『体操』や『キー』の影響か気軽に聴けるし、細野晴臣のベースもウネウネとファンキー・・・きっと私にとって『テクノデリック』は『ファンク』に近いのだと思います。
西日本はファンク系なので、すんなりと入れた、と言うか。
あるとき、自分が苦悩しながら作る音楽は実は『テクノデリック』と『BGM』をトレースしているだけなんじゃないか?と思ったり。
色々な曲を作ったりしながらも最終的には『テクノデリック』『BGM』をやっている、と言うか。何度もパクりながらもパクれない音が99%。
「影響を受けたミュージシャンは?」
と聴かれて何時も「マイルス・デイビス」とトランペット奏者っぽい事を言いながらも実は「YMO」と言うのが恥ずかしいだけだったりして。
皆、ライディーンとテクノポリスのイメージ。
ただ、私の中でのYMOは『BGM』と『テクノデリック』。
暗く、硬質で、ファンキー。
そして『あの世の音』。
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